小平記念日立教育振興財団の出会い

高尾記念事業

市民が最先端の科学技術に触れる場を提供

1994(平成6)年、当時の小平記念会に新たに「高尾基金」が創設されました。日立製作所で副社長を務めていた高尾からの遺贈財産を基金とするもので、これをもとに新たな事業が展開されました。

高尾は、茨城大学工学部の前身である多賀高等工業学校の設立をはじめ、地域教育の振興や日立市の町づくりに尽力した人物です。そうした高尾のこころざしをくみ、茨城大学大学院理工学研究科の協力のもと一定の知識を有する者を対象とした研究型公開講座「茨城大学イブニングセミナー」と広く一般市民を対象とした「市民公開講座」を開設しました。
「茨城大学イブニングセミナー」は、2010(平成22)年からは「茨城大学社会公開セミナー」と改名し、「先端科学トピックス」、「実践産業技術特論」など、講座の充実を図ってきました。

また、一般市民が最先端の科学技術に触れる場である「高尾記念市民公開講座」では、福井謙一氏や小柴昌俊氏といったノーベル賞受賞者による講演や、元アポロ12号船長のチャールズ・コンラッド氏による宇宙の話、さらに小中学生向け科学セミナーなど、多彩な内容で開催してきました。

現在も「日立財団科学技術セミナー」として継続しており、好評を得ています。

(左) 小平 浪平と(右) 高尾 直三郎

第12回、高尾記念市民公開講座
「重力波で宇宙を探る-アインシュタインの相対論と新しい天文学」
講師 安東 正樹氏(東京大学大学院准教授)