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創刊企画
日立財団

特別メッセージ 01

社会の「みらい」をみんなで考える。
そんなメディアになってほしい。

株式会社シンカ 代表取締役社長
一般財団法人 森から海へ 専務理事 
一般財団法人 22世紀に残すもの 代表理事

町井 則雄

Webマガジンになって若い人からもアクセスしやすくなりますよね。

 「みらい」はWebマガジンとして発行されるそうで、そうなると紙媒体と比べて若い人たちもアクセスしやすい環境になると思います。Webという形態は、さまざまな人とこれからの社会課題やその解決策を共有したいという、「みらい」の目的に合った媒体だと言えるのではないでしょうか。最近はPCよりもスマートフォンの利用が主流で、若い人は8割、9割がスマートフォンでしか情報に接しないと言われています。そういう現状を考慮したコンテンツの作成やメッセージの発信を考えていく必要があると思います。この媒体特性を生かすことで、社会とのアクセスという点でとても有効なツールになると思います。

実は、多くの人は社会課題に関心がない。そこを出発点に。

 私はNPO活動もやっていますが、そこで感じる事は、社会の多くの人は日々の生活において、ほとんど「社会課題」に関心が無いということです。NPO活動に携わっていると、多くの人が関心を持っていると勘違いしてしまいがちなのですが、そんなことはありません。この多くの関心の無い人達にどうやって関心を持ってもらうかということは、私のライフワークにおけるテーマの一つです。いま取り組んでいるのは社会課題へのアプローチのしかたの開発です。その検証を兼ねて、世界の課題である水問題に対する社会の興味や関心を喚起するための団体である「日本雨女雨男協会」を立ち上げました。雨女や雨男という自分事を起点として渇水や砂漠化、その対策を考えるきっかけにして欲しいと思ったのです。マスコミに取り上げられるなどして活動の輪は広がっています。「みらい」でも例えば、「どんなデートだったら楽しいか?」というポジティブなテーマから、それを掘り下げていくとDVの課題に辿り着くといった展開も考えられるかもしれません。最初に身近なテーマを発信して関心を持ってもらい、最終的に自分たちの伝えたい社会的なテーマや課題が自分にもつながっていると気づいてもらうという形です。これは特に社会課題の領域においては非常に大切なことだと思っています。

東京オリンピックは、大きな社会課題をクリアする契機になると思います。

 2020年の東京オリンピックは、世界から日本が注目されるタイミングになります。それを視野に入れると、この機会に解決に取り組むべき最大の課題の一つは「ダイバーシティ(多様性)」だと思います。女性の社会参画が少ないことも含め、ダイバーシティについて日本人は意識が希薄過ぎると感じることが多々あります。こうした状況で、現在2000万人の外国からのインバウンドが、2020年には4000万人になるといった予測もあって、このダイバーシティ関連の課題が色々な領域で顕在化してくると思います。ただ、奈良時代にペルシャ人が渡来して奈良の役所で働いていたというニュースがありましたが、そういう史実を見ると昔から日本にもダイバーシティはあったのではないかと思うんです。それを私たち日本人はもう一回思い出す必要があるんじゃないかなと感じています。せっかくオリンピックというダイバーシティをシンボリックに反映するイベントが日本に来るのであれば、それを契機に多様性について関心を持ってもらい、社会をどう作っていくべきかを考えることで、さまざまな社会課題の解決の道筋が見えてくるのではないでしょうか。そうしたとき、日立というナショナルブランドをバックボーンとした日立財団の活動は社会的にもインパクトがあると思います。それだけに「みらい」にはそれらの活動を通して次の社会のあり方を発信してほしいと思いますし、そういう「みらい」の役割を期待しています。

町井 則雄氏

株式会社シンカ 代表取締役社長、一般財団法人 森から海へ 専務理事、一般財団法人 22世紀に残すもの 理事長、日本雨女雨男協会 事務局長 など
1993年、日本財団入会。日本の公益事業を支えるプラットフォーム事業「日本財団公益コミュニティサイト『CANPAN(カンパン)』を企画・開発。その他にもNPO法人の支援や企業CSRをテーマとする活動など、社会問題を解決に導く道筋を探ってきた。2009年、「日本雨女雨男協会」を発足。着眼点のユニークさと課題解決に真剣に取り組むアプローチで社会的に注目されている。経済産業省地域真正町産業創出促進事業審査委員、内閣府「新しい公共推進会議」情報開示・発信基盤に関するワーキング・グループ委員、経営倫理脂溶性講座 講師。
著書に「ISO26000実践ガイド―社会的責任に関する手引(中央経済社刊/共著)」。

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