コラム:理工系女子のいま Vol.2

理系は進化している。
女子も活躍できる理系学部/学科が増えている。

新しいテーマや研究がぞくぞく、あなたの目標もきっと見つかりそう

農学系に限らず、時代のニーズや研究の進歩により理系全般で研究の内容やその進め方が変わりはじめています。
油にまみれるというイメージだった工学分野も同様です。例えば工学院大学では、エネルギーの効率活用や資源の有効活用、省資源化を視野に機械工学を「機械力学」「材料力学」「熱力学」「流体力学」に再定義し、サステナブル社会の実現に工学の分野から貢献しようとしています。
また機械工学では、高齢化や人手不足といった社会課題を解決する手段としてロボットのニーズも高まっています。看護や介助用ロボットなどの開発には機械工学のほか、制御のための電気・電子工学など多岐にわたる知識や技術との連携も進んでいます。
また土木工学は、「環境工学」として進化しています。東京工業大学では土木工学と気象・海洋・陸水学、生物・生態学、環境科学、リスク管理、エネルギー、環境計測を融合し、景観など美的感覚に関する分野、社会資本整備の経済学的評価を行う分野などに研究領域を拡大、「環境調和型持続的未来社会」の実現を目指しています。
さらに、「わたしのあした」でご紹介した、ヒューマンコンピューターインタラクション研究者、玉城絵美さんのように、情報工学のほかに心理学や社会心理学といった別領域の知見を加えてイノベーションを起こしている例もあります。
こうして大きく構造を変えている理系全般の学びの中に、あなたが興味を持てそうなテーマや研究がきっと見つかるはずです。

新しいテーマや研究がぞくぞく、あなたの目標もきっと見つかりそう

先入観にとらわれず、いまの「理系」を確かめてみては?

こうした学びの変化は一部の大学だけではありません。世界における日本の競争力強化、産業の生産性向上、日本発の科学技術イノベーション創出、グローバル化を担う人材育成といった大きな社会課題を背景に、大学には教育機関としての社会的役割の再構築が求められており、それが各大学での学びの変化としてあらわれているのです。新たな研究テーマのもと他分野との学際的研究や開発も進展し、学生にとって学ぶことの新たな魅力や価値はこれからもどんどん広がっていくことでしょう。
「機械に女子は似合わない」「土木に女子の出番はない」といった、これまでの先入観や固定概念はちょっと忘れて、いま大学で行っている研究や目指していることを確かめてみてはいかがでしょう。あなたの“あした”も、そこから見えてくるかもしれませんよ。

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