日立感染症関連研究支援基金 研究成果報告書(日本語)
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いて調査を行った.1.1.2 研究方法・経過 新型コロナ渦中のリスク観を把握することを目指した第 1 の調査は 2021 年 2〜3 月に 10 カ国(日・韓・昭・英・米・台・中・独・伊)を 対 象にオンラインで実施した(性別・年齢均等割付,n=3,300,うち日本 600). 続く大規模調査では,チューリッヒ大学,ハーバード大学の研究者を中心とした世界中の研究者と共に,68 カ国 71,922 人を対象に科学のポピュリズム傾向に関してオンラインサーベイを実施・分析した. 上記を踏まえ,日本の特徴把握をするために行った第三回調査は,2025 年 2 月に実施し 12,000名を対象に調査を行った.1.1.3 研究成果 これまでの研究から,リスク観は「恐怖」と「未知性」という 2 つの因子から把握されることが知られている.第 1 回調査の結果は,日本社会の国際比較上の特徴として,(1)恐怖・未知性ともに高いリスク認知と不安感,(2)医療関係者への高い信頼感と報道機関への低い信頼感が際立っていることが見出された(図 1A). 第 2 回調査の結果からは,世界的には科学への信頼は高いものの,日本においては世界平均を大きく下回っており(図 1B),また COVID-19 を初めとする科学への不信がイデオロギーの両極で高いことが見出された.日立感染症関連研究支援基金 研究成果報告書30助 成 期 間:2021 年 12 月 1 日~2024 年 11 月 30 日 助 成 金 額:3,000 万円 研究代表者:田中幹人       早稲田大学 政治経済学術院 教授 本研究では人文社会科学の知見に基づき,COVID-19 への社会反応について日本を中心に国際比較を行った.特に(1)マス/ソーシャル・メディアにおけるリスクコミュニケーションの実態・効果研究,(2)専門知の生産と使用における問題の科学技術社会論的検討,(3)リスクや専門知に関する公共の理解と反応について研究を行った.この研究プロジェクトを通じ,パンデミックというクライシス状況下で実施されたリスク対応の効果や国際的な比較を通じた日本の特徴を理解し,将来のクライシスに対してよりレジリエントな社会のあり方への示唆を得た.1.研究報告 本プロジェクトは複数の課題に,様々な方法論のサブプロジェクトを通じて取り組んだ.そのため以下の項目においては,「2.研究目的」,「3.研究方法・経過」,「4.研究成果」についてそれぞれ分けて説明する.1.1 日本社会の COVID-19, そして科学への視座1.1.1 研究目的 COVID-19 というパンデミックは世界を脅威に晒したが,それに対処するための科学的知識も迅速に共有された.こうした科学知の共有にもかかわらず,世界各国の対応はそれぞれに異なっていた.この差異には政治・経済,歴史,文化や社会制度といった様々な要素が影響しており,科学的知見が一意に「正しい」対策を決定しない証左だと言える.同時にこのことは,日本社会が次のパンデミックに対処するうえでは,国際的傾向の中での日本の相対的位置づけを理解しつつ,やがて再来する問題に備えておく必要を示している. この目的のため,本研究プロジェクトでは 3 回にわたって調査票調査を実施した.第 1 回目の調査では COVID-19 リスク認識についての国際比較調査(石橋・関谷・田中,2024)を,第 2 回目の調査では COVID-19 を含む科学の信頼に関する世界規模の調査プロジェクトの一環として(Cologna et al., 2025; Mede et al. 2025),そして第 3 回目には日本社会の科学観,ひいては COVID-19 観につCOVID-19 対策の国際比較分析~リスクコミュニケーション,専門知,市民社会

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