日立感染症関連研究支援基金 研究成果報告書(日本語)
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写真 3 ジンバブウェでのフィールド調査写真 4 ジンバブウェでの研究大会主催経済的ショックによって学費提供者である親たちの収入が減っているため,代替収入のために学生が起業するという潮流を生んだ.当初は食べ物やマスクなどの小売業から始まり,オンライン学習への移行と合わせて,デジタルプラットフォームを活用したコンテンツの制作などに移っていった.こうした若者の起業は「ハスリング」と名付けられて広まる一方,2022 年選挙に向けて政治家が若者を支援して票を集めるためにも利用された.総じて,ケニア・タンザニアでは,地域社会に根差すインフォーマル・ネットワークを生かしたハスリングが対処戦略になった.4.6 エチオピア:ワクチン接種への誤情報の影響 アディス・アベバ大学およびエチオピア投資委員会を研究協力機関とするエチオピア・チームは,SNS や口コミなどによる誤情報がワクチン接種行動にもたらした影響を分析した.アフリカでは人々が政府などの公式情報よりも SNS や家族・友人のネットワークでの口コミ情報を信用しやすく,その分,誤情報も流布しやすいという問題がある.本調査では,380 名を対象とするオンラインの質問紙調査と 21 名が参加したフォーカスグループ・ディスカッションを通じて,ニンニクやショウガに予防効果があるといった一般的な誤情報と,ワクチンを接種すると不妊になるといった陰謀説に基づく作為的誤情報がワクチン接種に及ぼす影響を分析した.その結果,一般的誤情報が最も影響力が大きいこと,そして,誤情報を信じるかどうかは宗教的権威・科学者・医療専門家への信頼が影響しており,さらに,そうした専門家を信頼するかどうかは,宗教的信念が影響していることが明らかになった.そのため,現地の歴史や文化に基づいて誤情報の影響を把握し,信頼できる伝統的指導者などのキーパーソンと連携して誤情報を対処・是正するための標的を絞ったコミュニケーション戦略が必要であるという結論を示した.4.7 コンゴ民主共和国:紛争地の脆弱な女性の自尊心への影響 コンゴ・チームは,新型コロナのパンデミックと同時に紛争の悪化が深刻であったことから,国連工業開発機関(UNIDO)およびパンジ病院と連携し,紛争影響地域の国内避難民と性暴力被害者,および避難民受け入れ社会の女性たち 330 名への聞き取り調査を実施して,女性のレジリエンスに大きく影響するとされている自尊心への影響を分析した.その結果,生業や収入の喪失,食糧不足,医療へのアクセス制限といった生活の困窮が大きく影響し,また,コミュニティ活動への参加の減少が女性たちのレジリエンスに必要な社会資本の減少につながることが明らかになった.これは,避難民や性暴力被害者はもともと脆弱な立場に置かれており,国際援助機関や現地の医療機関・市民団体が行う生計回復活動への参加がレジリエンスのカギであったところが,パンデミック対策でそれが制約されると,ショックを吸収する余地が女性たちには残されていないという実態を浮き彫りにした.研究結果に基づき,脆弱な女性のレジリエンスの源泉となる生計を維持する支援の必要性を訴えた.5.研究結果と政策提言 7 か国での調査結果を踏まえて,全体として以下の 4 点が明らかになった. 第 1 に,新型コロナに対するリスク認識は低く,感染症対策による経済的ショックがもたらした影響の方が深刻と認識されていた.リスク・トレードオフが発生していたといえる.第 2 に,感染症対策の政治化が起きており,発生当初に懸念されていたほどの感染拡大がアフリカで発生しなかったことが感染症対策の成功と認識され,住民によ47日立感染症関連研究支援基金 研究成果報告書

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