日立感染症関連研究支援基金 研究成果報告書(日本語)
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6日立感染症関連研究支援基金 研究成果報告書いう研究体制をとった.すなわち,欧州グループは予防的介入 I(公衆衛生経済学)をサブテーマとして,都市のロックダウン時に見られた医療と経済のバランスをどうとるかという問題を中心に分析を行った.アジアグループは予防的介入 II(エビデンスに基づく検査戦略)をサブテーマとして,積極的疫学調査や検査戦略により感染封じ込めが可能であったのかという問題に焦点をあてた.北米グループは予防的介入 III(ワクチン接種のインパクト)をサブテーマとして,社会や個人にとってのワクチンの価値の評価をレビューした.各グループは独立してグループ内の研究会議を開催するとともに,各グループの進捗状況や研究成果に関するグループ間の意思疎通をはかるために,適宜,オンラインでの全体会議を開催した. 研究期間は 3 年にわたるため,1 年ごとに年間目標を設定した.すなわち,1 年目はアジア,北米,欧州の 3 グループ毎に COVID-19 をレビューし,研究デザインと関連するデータ収集を行った.2 年目はグループ毎に分析を実施し,3 年目にはグループ別研究の成果に基づいて総合的な提言をまとめ,最終報告書を作成した. 開催された全体会議の経過は以下のとおりである: ・第 1 回 2022 年 4 月 5 日 ・第 2 回 2022 年 6 月 9 日 ・第 3 回 2022 年 9 月 12 日 ・第 4 回  2022 年 12 月 21 日 東大国際 HTA シンポジウム 第 2 部「新型コロナパンデミック国際共同研究報告」 ・第 1 回日立財団中間報告会 2023 年 3 月 7 日 ・第 5 回 2023 年 10 月 25 日 ・第 6 回  2023 年 12 月 8 日 東大国際 HTA シンポジウム「新型コロナパンデミックの教訓ー価値評価のアプローチ」 ・第 2 回日立財団中間報告会 2024 年 3 月 13 日 ・第 7 回 2024 年 9 月 24 日 ・第 8 回  2024 年 11 月 1 日 東大国際 HTA シンポジウム「COVID-19 の教訓―過去と未来」 ・ 日立財団国際シンポジウム(最終報告会)  なお,上記の全体会議に加えて,各チーム毎にローカル会議を独立して開催した.また,グーグルドライブ上にプロジェクト専用のデータベース作成し,メンバー間の情報共有を行った.2025 年 2 月 26 日3.研究成果 COVID-19 の各グループのサブテーマに関係する文献レビューをグループ別に行い,得られた文献情報(アジア 1-25,欧州 26-61,北米 62-70)を全グループで共有した.〇欧州グループ 欧州グループは主としてスウェーデンとフランスに焦点を当てた.まず,スウェーデンの政策対応は,法的に課された制限ではなく,自主的な措置と勧告に基づいていた.スウェーデンは経済部門を完全または部分的に閉鎖するロックダウン措置を講じたが(EU の平均レベルより緩い),社会のほとんどはオープンであった.そのため,スウェーデンはパンデミックの期間中,その寛大でリベラルなアプローチに対する厳しい批判にさらされていた.人流は感染初期には EU 平均より多かったが,2020 年の夏に EU 平均レベルになり,21 年春以降は逆に EU 平均より少なく推移した(Figure 1). ノルウェーとスウェーデンは超過死亡率が欧州で最も低い 2 カ国であった.欧州グループの医療経済分析モデルに基づくと,Figure 2 に示されるように,2020 年から 2022 年までの 3 年間の超過死亡による両国の QALY(質で調整した生存年数)の損失は,厳しく人流制限された 2020 年 4 月,あるいは 2021 年 1 月の全人口の 1 か月間での QALY損失よりも少なかったと算定された.これは,パンデミック 1 年目の厳しい人流制限が,人々のQALY 損失を防ぐことに必ずしも有効ではなかったことを示唆すると考えられる. フランス社会はパンデミックに対して準備が不十分であった.すなわち,パンデミックの初期段階であった 2020 年春,マスクと検査は利用不可であった.フランスでは EU 平均レベルのロックダウンが実施されたが,外出禁止令が出されても学校は引き続き開校されていた.フランス政府は,一時的な失業や事業の落ち込みに対する所得の代替として巨額の補助金を支出し,予算額は 2,000億ユーロ(GDP の 9%)に及んだ.ワクチン接種は EU による調整のもとで展開された.EU 平均レベルのロックダウンを実施したフランスの GDP の落ち込みは,EU 平均(Figure 3)に比べてやや大きかったが,回復の速度はほぼ同じ程度であった(Figure 4).一方,Figure 4 と比較して示されるように,緩やかなロックダウン政策をとったスウェーデンの GDP の落ち込みは,EU 平均に比べ小さく,

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