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高等学校等における日本語指導の制度化など「外国人児童生徒等教育に関する施策の充実」を文部科学省から、対象者数最多の東京都での状況として「都立高校を対象とした調査結果」を東京大学から、ご講演いただきます。
また、神奈川県の外国ルーツ若者グループの皆さんからは、高校・大学での経験を後輩たちに伝える活動や自らの経験について、お話いただきます。
外国につながりのある高校生の教育の充実について理解を深め、より良い社会を創る契機としたいと思います。

外国人の高校等進学率(日立財団推定)は、約40%と低い。

少子化が進行する中、外国人登録者数は10年間で38%増加、約300万人に達し、外国人と家族の定住化が進んでいます。
本フォーラムでは、外国につながりのある高校生の課題について、議論したと思います。

  • 日本語指導が必要な「外国につながりのある児童生徒」は5.8万人、10年間で1.8倍に増加。
    社会で活躍する力をつけたい高校生世代約4万人の課題は、深刻、急務。うち、15%(6000人)は、奨学金、就学と就労などより多くの制約を持つ家族滞在資格者。
  • 「日本語指導が必要な生徒の高校等への進学率」89.9%は初調査で貴重だが、専門学校・公共職業開発施設を含む数値であるほか、この調査の対象外の若者の人数は多く「外国籍高校生全体の進学率(日立財団推定)」は40.1%と極めて低い。
    「日本語指導が必要な生徒」への支援の強化に加え、「日本語指導が必要とされていない」とされる方々の実態把握と支援は、急務である。
  • 学んでいる若者の活躍の場は限られ、多くが教育を受ける権利から取り残され、日本の社会が十分に若者の力を伸ばし活用できていない。

開催概要

テーマ 外国につながりのある高校生たちの「活躍する力」を拓く
~教育の実態が問いかける支援のあり方~
日時 2022年12月10日(土)13:00~17:00
会場 オンライン開催(Zoomウェビナーシステム利用)
参加費 無料(ご視聴は1000名まで)
後援 文部科学省
ご挨拶

フォーラム開催の趣旨、関連するデータのご説明
公益財団法人 日立財団 理事長 内藤 理 資料はこちら(PDF形式、2,271kバイト)

講演

石田 善顕様

外国人児童生徒等教育に関する施策の充実
~高等学校等における日本語指導の制度化について~
文部科学省 総合教育政策局 国際教育課長 石田 善顕様

資料はこちら(PDF形式、6,974kバイト)

兵庫県洲本市出身。平成11年(1999年)文部省(現文部科学省)入省。文部科学省高等教育局私学行政課補佐、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部書記官(出向)、文部科学省高等教育局高等教育企画課補佐、同大臣官房総務課企画官、文化庁著作権課国際著作権室長、文部科学省国際統括官付国際戦略企画官等を経て現職

額賀 美紗子様

「外国につながる生徒の教育機会保障と包括的支援に向けた東京都の課題と可能性」
~都立高校79校の質問紙調査と30校のインタビューから~
東京大学大学院 教育学研究科 教授 額賀 美紗子様

資料はこちら(PDF形式、2,041kバイト)

カリフォルニア大学博士課程修了 博士(社会学)。移民背景をもつ子どもたちの教育格差やアイデンティティ葛藤、多様性包摂の教育政策・実践を比較社会学的視点から研究している。主著に『越境する日本人家族と教育—「グローバル型能力」育成の葛藤』、『移民から教育を考える—子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』など多数。

パネル
討論

神奈川県の外国ルーツの学生が後輩のために作った
「多文化ユースプロジェクト」活動報告
OG・OBメンバーが後輩に伝える「日本での立ち位置と生き方」の共有

高橋 清樹様

モデレーター
高橋 清樹様(たかはしせいじゅ)
認定NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)事務局長

神奈川県立高校や養護学校の教員として38年勤務。教育現場や地域のNPO団体のメンバーとして外国につながりのある子ども若者の教育支援に関わってきた。
2019年文部科学省「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」委員、文部科学省外国人児童生徒等教育アドバイザー
資料はこちら(PDF形式、7,495kバイト)

「多文化ユースプロジェクト」メンバー

王 希璇様

王 希璇様(ワンシーシェン) ;多文化ユースプロジェクト代表
13歳中学1年生で中国から来日。国際教室のある公立中学校、横浜商業高校国際学科(在県枠※)、宇都宮大学卒、横浜市立大学大学院卒。国際・教育関連を学んできた。将来、外国につながる子供のキャリア形成をサポートするため、現在は人材業界で働いている。

星玖 藤原 愛紗様

星玖 藤原 愛紗様(シェイク フジハラ アイシャ)
ペルーとパキスタンに繋がりを持ち日本で生まれ育った。座間総合高校、桜美林大学リベラルアーツ学群卒。国際関係・国際協力専攻。将来の夢が二つあり、一つは在日外国人のサポートすること、もう一つは途上国で学校へ行けない子どもたちを1人でも減らすこと。高校生の頃から主に在日外国人に関する様々なボランティア活動を行なってきた。

佐々木 聖瞾様

佐々木 聖瞾様(ささき せいしょう)
15歳で中国から来日。学齢超過のためフリースクールに通い、鶴見総合高校(在県枠※)、神奈川大学外国語学部卒。大学時代は、後輩の高校生の学習支援、多文化共生に関する活動に参加。神奈川県在住外国人の環境改善を県知事へ提言する「外国籍県民かながわ会議」第10~11期委員、 2020年から3年間県国際課主催「あーすフェスタかながわ」企画委員長を務めている。外務省主催「第35回国際問題プレゼンテーション」のファイナリスト。文化庁主催「令和2年度日本語教育大会(WEB大会)」に登壇。2020年4月から横浜市中区役所勤務

ナイム サードビン様

ナイム サードビン様
13歳でパキスタンから来日。中学2年から国際教室のある公立中学校、有馬高校(在県枠※)、帝京大学経済学部卒。高校・大学時代に数多くの外国人を支援するボランティア活動に参加し、日本に来て自分と同じ苦労や悩みをした方々を助ける活動に精一杯力を入れた。
一般の日本企業に勤務後、家族の会社を継ぎ、全国での営業に飛び回っている。
外国人が増え続ける日本の今の現状ではこのようなボランティア活動は重要と考える。日本社会をこれから外国人にとってもっと働きやすい環境にしていくように協力し続けたい。

山崎 ラジャン バレンシア様

山崎 ラジャン バレンシア様  ;多文化ユースプロジェクト副代表
中学2年14歳でフィリピンから来日し、公立中学校に入学し、小一の漢字から学ぶ。有馬高校(在県枠※)在籍中に日本語能力試験1級に合格。神奈川大学理学部情報科学科卒。
大学時代に多言語とふりがなの情報を短時間で発信できるシステムMultiYouthを一人で開発し、多文化ユースプロジェクトで活用。また、開発したガイダンスの特設ページの一部機能である「在県枠在留日数計算ツール」が文部科学省が運営する「かすたねっと」に掲載された。
現在、WEBエンジニアとして活躍中。ME-net理事。

※在県枠;神奈川県高等学校「在県外国人等特別募集」制度。
2022年度 18校187名(5校42名増枠)、来日6年以内(2021年度までは3年以内)
2023年度から2校追加 計20校