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日立財団Webマガジン「みらい」2017創刊号
シンポジウム講演録
日立財団

講演録1

格差社会における高齢者の貧困
~老後破産の実態

特定非営利活動法人ほっとプラス
代表理事

藤田 孝典

自分の老後は、息子や娘たちの問題でもある。

 私が代表理事を務める「ほっとプラス」というNPOには、生活に困窮されている10代から80代までの方々から、年間約500件もの相談が寄せられており、今日はこの相談者について、65歳以上に特化しながら話をさせて頂きたいと思います。まず結論から言うと、昨今は「貧困」という格差が、非常に厳しい状態で広がってきています。国民年金の5万円や6万円で暮らしているとか、厚生年金を受給していても、医療や介護の負担が増えて経済的に苦しくなっているという相談が、全国で多発しています。特に年金問題等で苦しんでいる高齢者の状況が多く見受けられます。以前は高齢者というと、悠々自適で老後を謳歌しているイメージがあったと思うのですが、そんなに全ての方が老後を謳歌できるような暮らしは実際には保証されていないのではないかということを、問題提起しながら取り組んでいます。
私は2004年からNPO活動を始め、今12年目になるのですが、社会福祉士としていろいろな方の相談を受けています。医療費が払えない方の生活保護の申請にお付き合いするケースや、介護施設を一緒に探す支援とか、スタッフ11人と共に年間さまざまな相談を受けております。もともとはホームレス状態の方の支援活動から私たちのNPOは始まって、リーマンショック前後には1000件を超えるくらいの相談が当NPOに寄せられたこともあり、実に多くの人たちがさまざまなきっかけで生活に困窮する状況に陥っている状況です。
私自身3歳の息子の父親ですが、自分の老後がこれからどうなっていくのかということは、息子や娘たちにも大きな影響が及んでいくと思います。今の団塊世代以降の方は、まだ自分の年金等で介護や医療をまかなってらっしゃる方が結構いますが、これから年金が減り、保険料や税金が上がっていく中で、自分たちの子どもに生活費の一部、あるいは介護・医療費の一部の面倒を見てもらわないといけない時代もくるのではないかと感じています。

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