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日立財団Webマガジン「みらい」2017創刊号
シンポジウム講演録
日立財団

講演録1

格差社会における高齢者の貧困
~老後破産の実態

特定非営利活動法人ほっとプラス
代表理事

藤田 孝典

若者にも高齢者にも共通するものは「つながり」。

 40代以下の若い人たちが、これから高齢期になるときのことも併せて考えていくべきだと思います。将来の年金額は今の水準からは少ないでしょうし、雇用も不安定な状況になっていますので、リスクはかなり高いと思います。家族も形成できていない若者世代、40代以下の方たちが非常に増えている状況で、いかに横のつながりを作っていくか、プライドを捨てて助けや相談を求めることができるかを考えていくことが必要だと思います。自治会活動など何かしらの役割を高齢者の方に担ってもらいながら、自分が健康で暮らせるような、そういった関係性を地域にどんどん増やしていかないと、孤立感を深めて厳しい状況になっていくと思われます。
 私は「下流老人」の他に、「貧困世代」という本を出版しています。これは10代から30代までの、今の現役の働き盛りの方や若い人たちが将来困らないようにという想いから出版したものです。若者にも高齢者の方にも共通するものは、「つながり」なのです。家族がいなかったり、頼れる人がいなかったり、お金の問題とも合わせて、私はこれを人間関係の資本「人的資本」と呼んでいますが、これがかなり希薄になってくると、貧困度合いも強くなってくるのではと感じています。月並みな言い方ですが、家族を大事にするとか、地域社会で自分の居場所を保っておくとか、バランス良く稼ぎつつ、バランス良く地域で生活をしつつ、人間関係を整えることが大切だと思います。ややもすると、稼ぐことに精一杯という方が非常に多かったのではないかと思います。稼ぐこと自体は大変ですが、あわせて家族との関係も大切にし、友人関係や地域の関係性を保っておくことが非常に大事だと思っています。

講演会の様子
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