コラム:理工系女子のいま Vol.2

理系は進化している。
女子も活躍できる理系学部/学科が増えている。

理系は女子が少ない? いえいえ、そうではない学部もあるんです

2017年に大学入学した学生数は629,736人。うち女子は287,628人で全体の約46%を占めています。では、その内容はどうでしょうか。
女子の比率は、文学や哲学などの人文科学系が約65%と最も多く、次いで薬学の約59%、農学の約45%と、経済や法学などの社会科学系の約35%を上回っています(図1参照)。特にほぼ2人に1人が女子学生という比率の農学は意外な感じがしませんか。どんな理由があるのでしょうか。

図1:大学の主な学部分野別 女子学生の比率
2017(平成29)年

図1:大学の主な学部分野別 女子学生の比率 2017(平成29)年

出典:文部科学省「大学の関係学科別学部学生数 平成29年」より集計

女子が多くなったのは、学びの内容が変わってきているから

農学というと農業や畜産、水産というイメージがこれまではありましたが、最近のキーワードは「バイオ」です。生物学に端を発し、生物の遺伝子情報であるDNAを研究する遺伝子工学や、細胞の性質を研究する細胞工学などの領域があり、これらは医学や製薬といった私たちの体や健康の分野だけでなく、食物の生産や品質向上、CO2削減や緑化など環境問題など、その研究領域はさまざまに広がっています。大学でも「バイオサイエンス学部」「応用生命科学科」などの学科を新設し、取り組んでいます。
こうした研究領域は暮らしの課題に直結する分野でもあり、研究のテーマや内容が女子にも馴染みやすいことが特徴としてあげられます。また、卒業後の進路では食品や化粧品、化学など、女性の感性や興味が活かせる職種も多く、それもこの分野の人気に繋がっています。
調査によれば、こうした生物工学系に進学する女子の割合は約35%。先にあげた社会科学系と変わらない比率となっています(図2参照)。

図2:首都圏主要大学分野別の女子の割合

図2:首都圏主要大学※分野別の女子の割合

※埼玉大、千葉大、青山学院大、芝浦工業大、上智大、中央大、東京理科大、法政大、明治大
出典:旺文社教育情報センター 28年12月21日「理系女子入学者数調査2016」より