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公益財団法人 日立財団理工系女子応援プロジェクト わたしのあした

パイオニアトーク Vol.1

理工系女子の未来

今後、インクルージョンの時代になっていくと、
女性は大変かもしれませんが、頑張ってください。私も応援します。

荒木: ちょっと話を変えまして、先生は研究分野以外にも若い方々の、それこそ“リケジョ”の育成にかなり注力されていますよね。きっかけになったのはアメリカに行ったときだったと聞いているのですが、それに関して教えて頂けますか。

大島: 最初のきっかけはMITでした。大学院や大学の学生が近郊の高校で出張授業を行う活動をやっていたのですね。荒木さんも留学されていたのでお分かりかと思いますが、MITの学生時代は“地獄”だって、皆さん、よく言うではないですか。非常に忙しくて厳しいので。そのように多忙な学生生活の中でも、出張授業のような活動を行っているなんて、すごいなと思いました。機会があったら日本でもやりたいと思っていたところ、帰国後に機会があり、また何人か賛同して頂ける研究者もいて、やり始めたところ自分自身にもすごく良い刺激になりました。自分の研究をきちんと言語化して、それを分かりやすく説明するのは、やさしいようでけっこう難しいのですね。そういったサイエンス・コミュニュケーションにまず興味を持ちました。また、もう一つの理由は、研究者に女性が少なかったことですね。帰国してから、学会に行っても女性は私一人でした。工学は非常に面白く、社会に役立つ分野であることを日本の女子生徒の皆さんに知ってもらい、工学の分野に進学する女子がもう少し増えてくれれば、と思ったのです。そこで、まず工学とは、を知って頂くきっかけとして出張授業を始めました。

荒木: 先生はご自身の研究分野でもお忙しいところに研究外の活動もやられて、かつご結婚もされてお子様もいらっしゃる。目の回るような忙しさだと思いますが、仕事とプライベートとの両立ついて“私はこんなふうにしているのよ”ということがあればお聞かせください。

大島: 本当に多くの人に助けられています。夫もそうですし、大学もそうですし、研究室もそうですが、皆様の理解やさまざまな面からのサポートが無ければ、とてもじゃないですが、できないと思います。非常に恵まれた環境で感謝しています。しかし、現状は恵まれた環境ばかりではありません。研究と生活の両立に対して周囲の理解を得られずに、何らかの選択をしないといけない、という立場の方は、女性に多いと思います。そのような環境に置かれている女性を少なくすることは、非常に大事だと思います。

荒木: さまざまな制度や仕組みの整備も大事ですが、それがあったとしても厳しいとき、大変なときってありますよね。それを乗り越えていくとき、頑張ろうというとき、どんなことを大切にしていますか。

大島: 研究も生活もいつも右肩上がりではなく、山あり谷ありではないでしょうか。私は体育会系の気質なので、頑張れるだけ頑張って、人事を尽くして天命を待つ、そのような気持ちになりますね。

荒木: 自然体で頑張って業績を上げられ、かつ次世代の人材育成の活動をされたり、先生のような女性に次々と出て来て頂けると、その後に続く女性たちにとっても励みになりますよね。

大島: 今、日本の男女共同参画は、第二ステージにさしかかっていると思います。第一ステージは、制度も含めて、どのように女性の数を増やすか、といった点に取り組んでいました。そして、実際に少しずつ増えては来ていますよね。このように数の面での課題がある程度クリアされたとき、女性たちが生き生きと働きつづけることができるような社会システムになることがインクルージョンと言いますが、次の第二ステージはそこだと思います。インクルージョンになったときには、自分たちが結果を出さなければいけない番ですので、女性にとってもある意味、試練のときだと思います。そのような流れを理解しながらポジティブに頑張って頂くことにより、次に続く良いサイクルが生まれてくるのではないでしょうか。何らかのかたちでそのサイクルを作って頂きたいと思いますし、私も関われることができたらと思います。

荒木: 最後にこれから理科系を目指す、あるいは今理工系で頑張っていらっしゃる女性に対して、励ましのメッセージを頂けますか。

大島: 科学技術を担っている理工系は社会と科学技術の接点です。そのような分野で、女性の方に是非活躍して頂きたい。社会をデザインする側にまわることで、より輝いて頂きたいなと思います。

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