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PIONEER TALK Vol.5 YUMI KAJIYAMA

学生時代に
色々なところへ行ってほしい。
見て感じる、その感性は
一番自分に刺激が強く
残るものだと思います

荒木:
この対談は理工系の女性を応援することで、若い人たちにも興味を持ってもらい、ぜひ将来世の中で活躍してもらいたいという思いを込めています。
建築や街づくりというのは純粋な理系というよりは、少し融合的な分野だとは思うのですけれども、それでも構造工学だとか、理系的なところ大いにあると思います。
これからの女子高生や女子中学生に対して、特に若いころにこういうことに興味を持ってやったほうがいいよとか、あるいはこういう勉強をするとこういう楽しさがあるよっていうことをぜひ伝えていただけますか。
梶山:
先ほど私も学生のときに海外に行って影響を受けた話をしたのですけれど、街づくりや建築など、そういったものに携わる方は、色々なところに行ってもらいたいです。
何よりも見て感じる、その感性というのは一番自分に刺激が強く残るものだと思います。
あとは時間でしょうか。
学生のときの時間と9時5時は最低働かなければいけない社会人とでは、圧倒的に持っている時間が違います。
その時間を有効に活用して、いろんな経験をしてもらうのが良いと思います。
荒木:
ご自身のこれまでのご経験からすると、理系だからとか文系だからっていうのは、そんなに気にしないでという感じですか。
梶山:
もしかすると建築だからというのもあるかもしれないのですけれども、理系という感じは学生のときから少なくて、どちらかというと文学系というか、芸術系の人が多かったりするのですよ。
荒木:
なるほど、そうですね確かに。
建築家ってどちらかというと芸術家に近いかもしれないですね。
梶山:
それこそ私は絵がみんなに比べてダメだなと悩んだくらいで、絵もすごく上手い方が多いです。
そういう意味では数学など、理系の割合はそんなに多くはないので、工学部の中ではちょっと異色な感じはあるかなと思います。
荒木:
では最後に、建築というのはちょっと純粋理科系とは違うかなとお話されていましたが、理工系をめざす女子高校生に対して、勇気づけるようなメッセージをいただければと思います。
梶山:
私の仕事ですと、建築や土木の方、そういった人たちと一緒にする仕事が多いのですけれども、すごくたくさんの女性の方が活躍されていています。
なぜか分からないですけどすごく元気のいい方が多いです。
女性だからといって働きづらいということは、ほとんどないと私は思っています。
ですから、建築や街づくり、あと港湾や土木系なども含めてめざされる方は、活躍ができるというイメージがすごくあるので、興味を持ったら迷わず進んでいただきたいなと思います。

  • 【聞き手】
    荒木 由季子
    株式会社 日立製作所 理事
    サステナビリティ推進本部長

  • <プロフィール>
    1983年3月東京大学工学部卒業、1983年4月通商産業省入省。1988年8月米国マサチューセッツ工科大学院(政治学科政治学科)修了、1998年6月通商産業省機械情報産業局医療・福祉機器産業室長、その後、経済産業省商務流通グループ博覧会推進室長、国土交通省総合政策局観光経済課長、山形県副知事、2012韓国・麗水国際博覧会日本政府代表等を歴任。2012年12月株式会社 日立製作所入社、現在に至る。