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総合型研究

「パンデミックにおける公衆衛生経済学と感染症予防の価値に関する国際共同研究―新型コロナ感染症の教訓、および、将来の危機に対する科学的根拠に基づく提言」

研究概要

研究期間:2021年12月〜2024年11月

COVID-19のパンデミックがもたらした社会的インパクトは、広汎なものとなり、結果として、パンデミックへの恐怖が世界を驚愕させました。一方で、世界が経験した最大の問題は科学と政策の溝であり、WHOも例外ではないと言えます。我が国においても政府の専門家会議には、ウイルスや公衆衛生、あるいは呼吸器臨床専門家が招かれましたが、その学術的アドバイスは、疫学予測モデルなど古典的な枠にとどまり、実効的な医療と経済のバランスをどう取るべきかへの知見を示すことができていません。また、政府の分科会に招かれた経済学者は、「価値に基づく医療」への価値基準に関する齟齬があるように見え、コロナ対策に経済学的知識を深める政策を提言できていません。

そこで今回の研究の目的は、主に次の3項目とします。

  1. コロナパンデミックの教訓の検証
  2. 医療と経済のジレンマに対する「価値の齟齬を解消し、その考え方に基づく」解決策の追求
  3. ウイズコロナへの社会の抵抗力を高め、来るべき「パンデミック X」に備えの検討を進める

研究活動は、アジア、北米、欧州にISPORの専門家らによるチームを編成し、共同で研究を行います。次のパンデミックの発生の際に科学的な知見に基づいた対応ができるようにするため、研究結果をシンポジウムや文献にまとめることなどを通じて、政策提言にまとめることをめざします。

研究代表者

写真:鈴木 寛氏

東京大学 公共政策大学院
教授 鈴木 寛

1986年東京大学法学部卒 通商産業省入省、慶應義塾大学SFC助教授を経て、2001年から参議院議員12年、在任中、文部科学副大臣を2期。2014年から東京大学公共政策大学院教授と慶應義塾大学SFC教授に就任(日本初のクロスアポイントメント 2023年1月まで)。2015年から文部科学省参与、文部科学大臣補佐官(連続4期)、2016年G7教育大臣会合議長代行を務める。

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