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公益財団法人 日立財団理工系女子応援プロジェクト わたしのあした

パイオニアトーク Vol.3

生活はサイエンスがいっぱい

モデリングとシミュレーション、この2つを並行処理しています。

荒木: これから理科系を目指す女性に対して、応援メッセージをいただけますか。

五十嵐: 理科系は大変じゃないか、きついんじゃないか、それこそ化粧もせずに髪振り乱してやっているんじゃないか、いろんなイメージが先行するかもしれないですけど、そんなことないよと伝えたいです。もちろん、髪振り乱してお化粧していない女の人もいるかもしれないけど、別にその人は理科系に行かなくたって、そうなのかもしれないし。お化粧バッチリの理系女子もいますし。やりたいことがあれば、ぜひ頑張ってほしいなと思います。この職業に就いたら、結婚、子育てに大変だからやめておこうかな、例えばお医者さんになりたいけど、それって家庭と両立できるの?、子どもが生まれても大丈夫なの?、心配だからやめて別のことをしようかな、そういう先回りはぜひやめてもらって。何年後かに自分がその職に就くときには先輩たちが切り開いてくださっていると思うし、何とでもなると思うんです。私の場合、学会に連れて行ったりもしますし。

荒木: 海外にも?

五十嵐: はい。海外のSIGGRAPHでビーズの研究を発表したときに子どもたちを連れて行きました。ほかの研究者も連れて来られてますし、学会に併設したベビーシッターサービスを作ってもらったこともあります。

荒木: 研究者の働き方も変わってきていますね。

五十嵐: はい。遠隔操作ロボットで学会に参加したこともあります。3人めの子どもが生まれてすぐに学会が開かれたときのことです。タブレットにタイヤが付いて自走できるロボットで、それが会議の会場にあって、タブレットのカメラを通して、自宅にいる私のPCで現地とやり取りできるようになっています。私の方からPCのキーボードを使って、そのロボットを前後左右に移動させることができるので、私は自宅にいながら会場を自由に動き回って展示を見たり、そこにいる人と話したりできます。興味ある展示に行って「こんにちは、教えてください」って会場をまわっていました。これからの世の中って、そんな感じになってくるかもしれないですし。ですからぜひ、無理そうだから止めようではなくて、無理だったら何か、それこそITで解決できないかなとか、時代が変われば上手くいくんじゃないかなとか、諦めるのではなくて諦めなくて良い方法を探してほしいなと。そういうのって、女性は強いと思いますので。

荒木: 私もそう思います。

五十嵐: 意外とマルチなタスクって女性は得意なので、育児だったり、研究したり、家事をやったり。

荒木: そうなんですよね、健康的に仕事をする。

五十嵐: 男性はひとつのことしかできない、ということが往々にしてあるじゃないですか。男女に差はないよと言いながらも、女性は多分にマルチタスクなところがあると思うので、ぜひ前向きに自分のやりたいことを追求していってほしい。やりたいことだったら、多少つらくても頑張れますよね。やりたいことを頑張ってほしいなと思います。

荒木: 確かに、本当にそういった技術の進歩を考えると、たぶん、5年先でも今とガラッと変わっていると思いますし。例えば働き方に関してもさっきのロボットのように新しい技術ができて、今は無理かなと思っていることができるようになるかもしれないというのは、私も過去を振り返ってみても本当にその通りだと感じています。

五十嵐: それこそ、子どもが熱を出しても自宅からスカイプで会議に参加したりもできますし。それって結局、キャンパスどうしの遠隔会議とたいして変わらないですよね。会社も同じ状況だと思うんです。ちょっと先になればその状況は変化しているはずです。それなのに先のことばかり、例えば就職するときのことなどを考えてしまって、高校生とか中学生の段階で早々に諦めてしまうようなことはしてほしくないと思いますね。

荒木: 本当に。若いときにはわからないんですよね。

五十嵐: そうなんですよね。ということをぜひ伝えていきたいと思います。

荒木: どうもありがとうございました。

アフタートーク 荒木由季子

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聞き手

荒木 由季子

株式会社 日立製作所 理事
サステナビリティ推進本部長

<プロフィール>
1983年3月東京大学工学部卒業、1983年4月通商産業省入省。1988年8月米国マサチューセッツ工科大学院(政治学科政治学科)修了、1998年6月通商産業省機械情報産業局医療・福祉機器産業室長、その後、経済産業省商務流通グループ博覧会推進室長、国土交通省総合政策局観光経済課長、山形県副知事、2012韓国・麗水国際博覧会日本政府代表等を歴任。2012年12月株式会社 日立製作所入社、現在に至る。