スペシャルインタビュー

内閣府男女共同参画局長に聞きました。

理工系女子の“わたしのあした”は
どうなりますか?

武川局長

理工系を始め各分野への女子の社会進出を、
政府もさまざまにバックアップします。

理工系女性を増やすことで、どのような社会を実現しようとお考えですか?

武川局長 :新たな視点や価値観によってイノベーションを実現するというのは理工系に限ったことではなく、政治、行政、経済などあらゆる分野に当てはまることだと思います。社会全体の多様性を高め、活力を高めることで、日本の国の経済が力強く発展していくという面がまずあります。それと同時に、女性が活き活きとした人生を送ることができる、そういった女性の機会の拡大という面からも、女性の活躍の場を増やし、さらには指導的な地位で意思決定を行う場に女性を増やしていきたいと考えています。

こうしてあらゆる分野で女性活躍を推進し、最終的には女性も男性も全ての個人が性別に関わりなく、互いに人権を尊重し、喜びも責任も分かち合いつつ個性と能力を十分に発揮できる社会を作ることが重要です。政府ではこれを「男女共同参画社会」として、その実現を目指しています。

理工系女子をサポートするために、
民間の企業や財団組織に期待していることは何ですか?

武川局長 :内閣府では、理工系分野に関心がある女子生徒の皆さんの進路選択を応援しています。先程申し上げた通り、女子中学生や女子高校生が理工系の大学に行きたいという希望を持ってもらいたい、同時に将来の展望を持って進学していただきたいということで、企業や大学などと連携しながら「理工系チャレンジ」略して「リコチャレ」という取組を進めております。私共のWebサイトで女性技術者・研究者のロールモデルの皆様にご登場いただいたり、企業や大学などで行われている関連イベントの情報も発信したりしています。

また、学校が夏休みになる期間に、企業の工場や研究所の見学、職場体験、実験教室などのイベントを企業や大学の皆様と一緒に展開しております。文部科学省や経団連も共催でご協力いただいているのですが、女子学生、女子生徒にたくさんの実体験の場を提供できるよう、より多くの企業、大学にご協力いただきたいと考えています。

それ以外にも、実際に科学技術・理工系分野の最前線で活躍している女性のために、例えば女性用のパウダールームや、作業着に着替えるスペースなどを、女性の目線や感性で整備する企業も増えています。このように理工系女性が働きやすくなるようにさまざまな制度や設備の整備にも、これからもどんどん取り組んでいただきたいと考えています。

理工系女子の“たまご”である中高生へのメッセージをお願いします。

武川局長 :理工系の仕事は努力と発想力で世の中の人々の暮らしを便利に豊かにする仕事です。社会は皆さんの力を求めていますので、ぜひチャレンジしてください!

武川 恵子

内閣府男女共同参画局

武川 恵子局長

1981年、総理府(現内閣府)に入府、男女共同参画局の設置(当時は男女共同参画室)から関わり、1995年、国連第4回世界女性会議(中国・北京)に日本政府代表団として参加。大臣官房審議官や大臣官房政府広報室長などを経て2014年から現職。自身も子育て経験を持ち、その経験から女性の社会進出・活躍を応援している。