日立環境財団の出会い

環境サイエンスカフェ

科学の目で環境問題を考える

日立環境財団では環境問題の正しい認識と理解を広く社会に啓発する活動のひとつとして2011(平成23)年から5年間「環境サイエンスカフェ」(全32回)を開催しました。これは街中のカフェで飲み物を手に、打ち解けた雰囲気のなか環境問題への理解を深めるイベントです。環境問題を科学的側面から研究している専門家や研究者を講師に招き、気象や地震、生態系、エネルギーなど毎回異なったテーマにスポットをあて、講師と参加者が自由に語り合いながら科学の目で環境問題を考えました。
毎回参加されていた方も多く、ウェブサイトで公開している講演録は大学で参考資料として活用されるなど、好評価を得ていました。

「環境サイエンスカフェ」から生まれた人気書籍

この中で「気候変動の科学」のテーマで開催された全5回の講演が「気候変動を理学する」と題する書籍として刊行されました。
地上の堆積物などを手がかりに太古からの気候変動や地球環境を明らかにする「古気候学」の研究者、多田隆治 東京大学大学院教授の講演禄と使用した図版、参加者とのディスカッションを構成したものです。財団の活動が1冊の本にまとめられ、さらに広く一般社会に伝わることとなったのです。

その創生から現在まで46億年に及ぶ地球環境、その複雑で動的なシステムが分かりやすく、しかも興味深くまとめられており、これから地球環境を大局的に考えるための良い手引きとして評価されています。

第8回「極域から見る地球温暖化」
榎本浩之氏(国立極地研究所 国際北極環境研究センター長)
会場 サロンド冨山房folio(千代田区神保町)

「気候変動を理学する」
多田隆治著/日立環境財団協力(みすず書房発行)

多田 隆治氏