日立国際奨学財団の出会い

日立スカラーシップ1期生

タイ生物学の権威として活躍中のソムサック・パンハ教授

日立国際奨学財団は、東南アジアから数々の優れた研究者を招聘してきました。

1985(昭和60)年3月、東南アジア3か国から5人の大学教員が、記念すべき日立スカラーシップ招聘者の第1期生として来日しました。その中の一人であるタイチュラロンコン大学のソムサック・パンハさんは、京都大学理学部大学院博士課程でカタツムリの研究に取り組みました。1988(昭和63)年に博士号を取得して帰国し、チュラロンコン大学の教員に復帰。その後はカタツムリを中心とした軟体動物の研究により、同分野で世界に名を知られる学者として数々の実績をあげ、国際的に活躍されています。

また、ソムサックさんは母校の教授として後進の育成にも励み、教え子の海外留学も奨励してきました。その一人であるアンポーン・ウィウェーグウェウさんは、日立スカラーシップ招聘者として信州大学で学び、2009(平成21)年に同大学で博士号を取得し帰国、アンポーンさんもまた、母校で教員として、後進の育成に励んでいます。

ソムサックさんは2007(平成19)年から国際貝類学会の会長を務めるなど、国際的な活動も精力的に展開し、国内外で多数の賞を受賞しています。2004(平成16)年12月に起きたスマトラ沖地震の際にはタイ南部津波被害調査団に加わり、生態系の調査を主導されました。

ソムサックさんは、帰国したのちも30年以上にわたり、日立財団に合併された今も、財団と密に交流をしている一人です。駒井のこころざし「日本を含めたアジアの発展には若い人材の育成を忘れてはならない」はこうした形で花開いています。

岩壁でカタツムリの採取をおこなうソムサックさん

ソムサックさん(左)と教え子のアンポーンさん(右)

MOVIE こちらよりムービーがご覧いただけます。 この映像は、2010年3月制作「日立グループの財団活動 日立国際奨学財団」より再録